パワコンとは、太陽光パネル(ソーラーパネル)がつくった電気を使えるものにするための機器です。太陽光パネルがつくった電気は直流電力のため、それを交流電力に変換し、日常で使えるものに変換しています。正式名称はパワーコンディショナーで、PCS(Power Conditioning System)とも呼ばれます。一般に太陽光発電設備とは、太陽光パネルとパワコンを組み合わせた一連の設備を指します。太陽光発電に欠かせないパワコンですが、太陽光パネルと比較すると寿命が短く、突然故障することがあるので注意が必要です。特に高圧発電所で使用する産業用の大型パワコンは高価なため、故障した場合に最新の機種に買い換えるのか、それとも修理して使い続けるか、どちらを選ぶのかは非常に悩ましい問題といえます。この記事では、パワコンの役割と主な機能、故障の種類について説明し、高圧発電所で使用するパワコンは修理と買い替えではどちらがお得なのか、そしてパワコンを長持ちさせるためのコツを解説します。パワコンによって安全な発電・売電が可能になるパワコンには、直流電力を交流電力に変換する以外に主に2つの機能があります。①天気や時間が変化しても、フルパワーで発電できる太陽光発電では、上記図のように電流と電圧の組み合わせによって取り出せる電力量が変化します。電力量は「電圧×電流」で計算できますが、電圧が弱すぎても強すぎても流れる電流が少なくなってしまうため、一番最適な地点を見つける必要があります。上記の図で見ると、一番発電量が多いのはV2です。パワコンには、天気や時間などの条件が変化しても、常にこのV2で発電できるように電圧を自動で調整する機能があります。この機能をMPPT(最大電力追従制御)といい、MPPTによって常に最大量の発電が可能になります。②トラブル発生時に、発電設備と電力系統を異常から守る2つ目が系統連系保護機能です。トラブルによって周波数や電圧の急激な変化を検出すると、パワコンは自動的に発電を停止し、太陽光発電設備と電力系統の接続を解除します。これによって太陽光発電設備の故障だけでなく、送電線などの電力系統への影響も防げます。発電設備は電線と繋がっているため、1つの設備に異常が発生すると地域全体が停電する可能性がありますが、それを自動で防ぐのです。パワコンの寿命は10~15年。突然壊れることがあるので要注意太陽光パネルは20〜30年ほど使えるといわれていますが、パワコンの寿命はだいたい10〜15年と、比較的寿命が短いのが特徴です。突然壊れることがあるため、次に述べるような異常が発生した場合は、交換か修理をする必要が生じます。①運転開始して間もないが、突然発電しなくなったパワコンは初期段階で不良が発生し、発電しなくなることがしばしばあります。こういった異常の原因としては、設置を行うEPC会社が配線を間違えていたり、太陽光パネルとパワコンのコネクターの接続が適切に行われていないことが挙げられます。これらによってケーブルが焦げたり、部品が溶けたり、ケーブルが断線・切断したりするのです。新しいパワコンを設置してから1年以内は不良が発生するケースがあるため、注意が必要です。契約にもよりますが、施工のミスによる不具合はEPC会社が費用を負担してくれる場合があります。原因を明らかにするためにも、一度、O&M会社やメーカーに調査依頼を行うことをおすすめします。②運転開始から数年、いきなり発電量がガクンと下がったパワコンは電気製品のため、経年劣化は避けられません。長年使用すれば部品などが消耗し、交換しないと故障することもあります。例えば、多くのパワコンには温度調節を行うファンが内蔵されていますが、このファンは大体3〜5年で消耗するため、定期的な交換が必要です。もしそのまま放置するとパワコンが温度調節できなくなって熱がこもり、パワコンが停止してしまいます。都度ファンの交換費用とそのための手間が発生するため、定期的な交換に時間とお金を取られたくない場合は、自然冷却を行うファンレスタイプのパワコンもおすすめです。またパワコンは雨や雷、草や虫などの外的要因によっても故障することがあります。特に水には弱く、温度変化によって内側に発生した結露が原因で壊れることも少なくありません。雷の影響も受けやすく、近くに落ちた雷の影響で系統の電流や電圧が突然上昇し、その影響でパワコンが故障することもあります。それ以外にも、ツタなどの植物がパワコン内部に入り込んだり、蟻の巣ができていたり、ネズミが侵入してコードをかじったりするなど、パワコンの故障原因は非常に多岐にわたります。故障を放置すると売電収入のロスにつながるため、定期的なメンテナンスが重要です。また、O&M会社が不具合を見落としている可能性もあるため、パワコンのコントローラーからアラートメールを受信できるように設定しておくと速やかな対応が可能です。高圧発電所の場合、パワコンは基本的に交換せずに修理した方がいい発電所の規模が10kW以上の場合、太陽光発電所の運転開始前に申請する事業計画認定にて、どのメーカーの発電設備を使用するのかをあらかじめ申請をしているかと思います。パワコンを買い換えると、再度この申請をする必要が生じます。またパワコンは値段が下がってはいるものの、高圧発電所で使用される大型のパワコンは依然として高価であることには間違いありません。さらに大型パワコンを交換すると追加で多額の設置費用が必要となり、工事期間は発電も見込めないため、費用対効果で考えるとパワコンの交換は現実的ではないと言えます。そのためパワコンが故障した場合、買い換えるよりも基本的に修理を行うことをおすすめしています。パワコンメーカーは修理窓口で修理対応を行う「センドバック方式」を採用している会社が多いため、10年前の製品であっても部品がなくて修理ができない、ということはあまりありません。早急に修理を依頼し、売電ロスをどれだけ最小化できるかが重要になります。パワコントラブルの早期解決は、O&M会社選びが重要大型パワコンが故障した場合、どれだけ早く修理を行い、売電ロスを最小化できるかがカギになるとお伝えしました。この場合、O&M会社がメーカーと発電事業者の間に立つことで必要な手続きなどを代行し、迅速にトラブルを解決できるケースもあります。また、適切なメンテナンスを行えるO&M会社であれば、定期的なメンテナンスによってパワコンの故障を防ぎ、劣化速度を緩めることもできます。例えば、草刈りを行えば、草が伸びるとパワコンが放熱できずに停止したり、草についた雫などが原因で故障するリスクを減らせます。そのため、安心できる太陽光投資を行うには、トラブルのリスクを最小化し、万が一不良が発生しても迅速に解決できるO&M会社と契約することが重要です。EPC会社にそのままO&Mを依頼したり、知り合いだからという理由で契約したりするケースもありますが、中にはO&Mのノウハウがない会社では、故障が発生しても原因を特定できないケースがあるため見極めが必要です。O&M会社によって問題解決レベルが大きく異なるため、ノウハウが豊富かつ技術力のある会社に依頼することをおすすめします。afterFITのO&Mは、太陽光発電所をベストな状態に保ちます。運用(オペレーション)では、発電量をもとに太陽光発電所が適切に運転できているかを確認し、問題があればすぐに対応するため、売電ロスを見逃しません。メンテナンスでは、一つひとつの太陽光パネルや発電設備をくまなく見て回るだけでなく、サーモカメラを搭載したドローンを活用し、人間が見つけられない異常まで発見。売電収入の最大化を目指して点検します。また、電気主任技術者などの資格保有者が多数在籍しているのも特徴です。afterFITは全国に25拠点ありますが、いくつかの拠点では保安法人化しているため、通常では保安協会が行う業務も全て自社で対応できます。業務の幅が広く、外注費を大幅にカットするため、低価格で高品質のO&Mが可能です。「もしかしたら発電量が少ないかもしれない」と感じた方はもちろん「もっと発電量が増やせるかを知りたい」など、太陽光発電所の運用にお悩みがございましたら、お気軽にafterFITにご相談ください。電話一本・同行不要の無料現地調査も承っています。お電話番号は0120-905-907、お問い合わせはこちらからお願いいたします。